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楽園への合言葉「いただきます」

先人たちは、草木山川に魂が宿るという森羅万象思想を生きていました。

微生物のDNA解読で分かったこと、それは、敵だと思っていた微生物が、
土の中にも、人の腸の中にも、どっさり共生していて この世界を静かに守り育てていることです。

先人たちはその鋭いセンサーで見えない微生物たちを、
森羅万象の一象として感知していたのかもしれません。

土を書物のように読み解き、風の流れや地下水脈に耳をすまし、
森羅万象と対話する「百姓」という生業。

僕は、この百姓という語感に、なんだか、世界の秘密を解読した賢者のような響きを感じます。

きっと、お百姓さんたちは人間の言葉ではない謎の植物語や微生物語で、
植物さんと深く楽しく交流しているにちがいない、
だから、あんなに幸せそうに笑っているのだ、、と僕は密かに羨んでいるのです。

幼い頃から土と遊び、稲を植えるこどもたちは、ちいさな、かしこいお百姓さんのようです。

ほんとうは、彼らも植物語や微生物語を話せるんですよ。

植物や微生物と話せるこどもたちはやがて地球とも話すでしょう。

楽園を追い求めて科学文明を築いてきたはずですが、
わたしたちは、すでに、植物や微生物がつくってくれた楽園に住んでいたのです。

人、植物、微生物は、森羅万象を形造る、平等な一象にすぎないこと、
植物や微生物の命を貰わなければ、人は一日も生きていけないこと、
そのことに気づく言祝ぎの言葉こそ 「いただきます」なのではないでしょうか。

オオタ ヴィン